てぃーだブログ › 村獅子便り › 村落獅子紹介 › 衝撃の出会い

2008年09月11日

衝撃の出会い

衝撃の出会い



 村落シーサーを訪ねて沖縄を歩き倒す。

 きっかけは1枚の写真でした。

 初めてこの写真を見たのが沖縄戦写真集だったか、平和祈念堂のパネルだったか忘れましたが、この写真は強烈なインパクトを私に与えました。この島で確かに戦争が行われたんだと。シーサーと近くにいる米兵の組合わせに大きな違和感を感じたのでした。

 実際にこの「大石獅子」に会いに行ったのは何回目かの訪沖最終日でした。仲間3人での沖縄旅でしたが、飛行機搭乗時間までそれぞれ自由行動に、ということになりました。そこで一人バスに乗って東風平町富盛まで出かけたのです。

 バスを降りると黒雲が空を覆い、強い風がウージをザワつかせていました。息を切らせて急坂を上っていくと、生い茂る樹木により薄暗い広場に彼が立っていました。その時感じた肌が粟立つような感覚、厳かな雰囲気は今でも蘇ってきます。

 彼には、数百年の間、そこを動かず、じっと黙って、起きたことを見続けて来たオーラがありました。からだには何発もの弾痕が残っていました(鉄の暴風にさらされながら木っ端みじんにならなかったのは幸いだと思います)。

 帰りのバスの時間の関係でわずか5分でとんぼ返り。ほんの少しでしたが、それは濃密な時間でした。

 それ以来、色々な文献やネットを参考に各地の村落獅子に会いに行くようになりました。長い時間ただひたすらそこにいて、村を守り続けているシーサーたちにたまらない魅力を感じたからです。

 ちなみにこの石彫大獅子は、1689年に火山(ヒーザン)八重瀬岳から村を守る(火返し=ヒーゲーシ)のために作られ安置されたそうです。村落獅子の最古のものといわれています。



同じカテゴリー(村落獅子紹介)の記事
冨盛石彫大獅子
冨盛石彫大獅子(2008-09-14 13:05)


Posted by 三ちゃん at 15:25│Comments(9)村落獅子紹介
この記事へのコメント
ついに始まりましたね、村獅子ブログ。
きっと貴重なアーカイヴになることでしょう。

ボクも沖縄に住み始める数年前に、富盛の大獅子の写真を見ました。
米人観光客向けの写真集の表紙になっていました。
弾よけになった弾痕だらけの獅子に衝撃を受け、数年後こちらに移り住んですぐに所在を探して行きました。
そこは、不思議な静寂の中でした。

これからもぼちぼちと続けて行って下さい。期待してます。
Posted by てんもり at 2008年09月11日 16:13
パチパチパチ~

続々アップ期待してまーす。
Posted by クリエイティブエンゾ at 2008年09月11日 19:44
>てんもりさん

最初のコメントがてんもりさんとは、光栄です。
この獅子は風格というか、オーラを感じますね。
一面焼け野原の写真と現在の鬱蒼とした森、時代の流れを痛感ますが、
村を護るシーサーが戦地の真ただ中にいたなんて……。
彼はどんな想いで佇んでいたのでしょうか?

これからもよろしくお願いします。

>クリエンさん

そういえば、ゴンちゃんにブログにしたらって最初に勧められたんですよね。
まだまだ不慣れなんで、やっぱりぼちぼち行きま〜す。
Posted by 三ちゃん三ちゃん at 2008年09月11日 22:06
携帯からだとよくわからなかったので、PCで見直しました。胸にずっしりくる写真です。獅子巡りの十分な動機になることが納得できました。更新楽しみにしています。ご無理のないように。
Posted by Salty at 2008年09月12日 01:09
おおーっ、待望の村獅子ブログ開設ですね。楽しみにしてるファンが多いのではないでしょうか。三ちゃんのお陰で私もこの写真が村獅子君との出会いになりました。この写真、思わず見入ってしまいます。これからどんな村獅子君の写真が見れるのか更新楽しみにしています。自分のペースでゆっくり進めて行ってください。無理しないでね!
Posted by ♪ at 2008年09月12日 10:04
>Saltyさん

初めてこの写真を見た時、胸がはりさけそうになりました。

ただ村獅子フィールドワークに熱中し始めには、また別の村落シーサーとの出会いがありました。追々アップしますね。
Posted by 三ちゃん三ちゃん at 2008年09月12日 19:51
>♪さん

村獅子ファンクラブができるといいなぁ~
Posted by 三ちゃん三ちゃん at 2008年09月12日 19:56
何度見てもこの写真は人をして凝視させるほど絶句させます。

私の母は当時この近くにいたのです。離れていてもほんの数キロ程度の距離だったはずです。

これ以上言葉を紡ぐことができません。
Posted by 仲村清司仲村清司 at 2008年09月26日 01:46
>仲村清司殿

本当に衝撃的でした。
現在も弾痕が痛々しいですね。

お母様よくぞ助かりました。
Posted by 三ちゃん三ちゃん at 2008年09月26日 17:16
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。